高校生がデザイン会社に乗り込んできた話【前編】〜自作アプリを持って現れた17歳〜
ARCHECO採用チーム
ライター
自作アプリを持って原宿のデザイン会社を訪ねてきた17歳。その熱意と行動力に驚かされた話。
ある日、ARCHECOに一通の問い合わせメールが届きました。「アプリの改善をお願いしたい」という内容でしたが、お客様の情報がほとんど書かれていない、なんとも不思議なメール。とりあえずお会いしてみようということになり、迎えた当日。
やって来たのは、まさかの高校生でした。

17歳、アプリを売り込みに来る
「こんにちは、三宅といいます。今日は、僕の考えたアプリを売り込みに来ました」
部活で焼けた肌、学校帰りの制服姿。ARCHECOはこれまでスタートアップから大手企業まで様々なクライアントとお仕事をしてきましたが、高校生のお客さんは初めてのこと。正直、最初は戸惑いました。
でも、三宅くんの話を聞いていくうちに、その戸惑いは興味に変わっていきました。
きっかけはサイゼリヤでの「あの問題」
三宅くんが作ったのは、グループでのお会計をスムーズにするアプリ。

「友達4人でサイゼリヤに行ったんです。食事を済ませてお会計の時、僕らは別々にお釣りをもらいたかったので、全員でレジの列に並びました。そしたら精算にすごく時間がかかって、他のお客さんも待たせてしまって」
誰もが経験したことのある、あの「割り勘の面倒くささ」。三宅くんはそこに目をつけました。
一度に会計できて、かつグループ全員分のお釣りを正確に受け取れる。そんなアプリがあれば便利なのに——。そう考えた彼は、実際にアプリを形にしてしまったのです。
手書きの設計図から始まった
三宅くんは、まず手書きでアプリの設計図を描きました。そしてその設計図をもとに、ネットで見つけた開発会社に依頼して、実際に動くアプリを完成させたといいます。

「普通、グループで一度に会計をすると、お釣りもまとまった金額しか表示されません。このアプリでは、一人ひとりの支払い額と注文に応じて、個別に釣り銭とお札の枚数がカウントされるんです」

三宅くんが作った企画概要
驚いたのは、アプリを作る前の準備の徹底ぶりでした。
ビジネスモデルキャンバス、カスタマージャーニーマップ...
「どうせアプリを作るなら、実際にお店にも売り込めるように、ビジネス的にも価値があるものにしたいと思いました」
三宅くんは自分なりに勉強して、「ビジネスモデルキャンバス」と「カスタマージャーニーマップ」まで作成していました。
ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの構造を9つの要素に分類して可視化したもの。

三宅くんが作ったビジネスモデルキャンバス
カスタマージャーニーマップは、顧客がサービスを利用する際の行動や感情を整理したもの。どちらもプロの現場で使われるフレームワークです。

三宅くんが作ったカスタマージャーニーマップ
17歳が、ここまでやるのか。
「デザインを良くしてほしい」
三宅くんの相談内容は明確でした。
「このアプリをお店に使ってほしいと思って営業したんですが、なかなか相手にしてもらえなくて。サイゼリヤにも連絡しましたが、『また後日連絡します』と言われたきりで、音沙汰がないんです」

だから、デザインを良くすれば反応も変わるんじゃないか——。そう考えて、ARCHECOを訪ねてきたのでした。
熱意は十分に伝わりました。でも、代表の須斎は静かに考え込んでいます。
「...なるほど。ちなみに、アプリの中身を作ろうとする前に、他に考えたことはありますか?」
この質問から、三宅くんにとって予想外の展開が始まります。
後編では、須斎からの率直なフィードバックと、「デザインの本当の価値」についてお伝えします。